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  3. お正月の花はおめでたく

クリスマスが終わったら、日本の町は一瞬にしてお正月モードに切り替わります。
年明けぐらいまでずるずるとクリスマス気分が漂う欧米とはここがはっきりと違うところ。
日本人にとっては一番と言っていいほど、大きな行事と言う雰囲気がありますね。

そもそも何でお正月はおめでたいのでしょう?

様々なお祭りがそうであるように、元旦にもやってくる神様がおられるのをご存知でしょうか?

お正月には「年神様」という神様がやって来ます。

年神様はご先祖が神様に昇格したもので、普段はふるさとの山に居て春になると田植えを秋には収穫をと子孫が健やかに暮らせるように、山と里を行き来してくれています。

年神様が見守ってくれたから家族が無事に正月にお迎えできたという事でとてもめでたいのです。

お正月は日々お世話になった年神様に昨年無事に過ごせた感謝をして、今年も命を繋げますようにお願いする行事なんですね。

門松は依代

依代(よりしろ)と言うのは、入り込んで力を発揮する神様の借りの居場所のことで、年神様は門松を目標に子孫の家を訪ね霊力を発揮してくれるのです。
今の門松は竹が中心となっていますが、本来は「松」が依代の場でした。

お正月で最も大切なのが松。

大田市場では松だけの品種で1年に1度だけ、特別な大市が開かれます。ちなみにお正月用の特別な市は他に千両市などがあります。

年末の風物詩でもある松市では通常より多い買参人で独特な緊張感が漂う中、はじめに入れると縁起が良いとされる「おもと」からセリが開始されます。

松は門松用の「門松」、広がりすぎず扱いやすい一般的な「若松」、松葉の長い「大王松」、花材として活け応えのある高級松の「蛇の目松」、他にも「根引松」、「五葉松」、「三光松」など種類も多いです。お正月用としてぜひ取り入れてほしい花材です。

お勧めの花材

枝物としては、先ほど紹介しました松の他に・竹・梅・千両や万両・南天・金柑・仏手柑・しだれ柳など。
まっすぐに育つ竹、早春に先駆けて咲く梅、難を転じる語呂の良い南天、無事を祈る柳などどれも縁起の良いものです。

松の選び方は松を1本だけ買うならなるべく枝分かれしたものを買い切り分けて使いましょう。

1本立ちの松は初心者には活ける時バランスが難しくなります。
しだれ柳などは、長さを活かしひとからげして結び柳とし青竹に入れ高い位置から垂らします。茶道でも新春用によく使われるテクニックで、床の間のある和室でももちろんですが、モダンリビングでも思いのほか映えます。

枝物は枝ぶりを生かすため、剣山を使いますが使わなくてもオアシスを使えば、刺したい場所に固定できます。初心者では剣山より扱いが楽で便利です。また花器や水盤などなくても手持ちの深皿で飾れば十分アレンジ可能。ダンスクなど北欧風の深皿、骨董の伊万里焼きや赤絵、李朝磁器などのとっておきの器やお皿を転用するのも素敵。

花材としては、菊類は糸菊やピンポンマムなどの変わり咲きや大振りな物がお勧め。

菊は長寿を願う花でもあります。菊の代わりにダリアを使うとより華やかな感じに。

バラも中国では長春と言いおめでたい花として喜ばれています。

また、松・竹・梅と共に四君子と言いおめでたい柄になる蘭も気品ある花です。
カトレアや胡蝶蘭など高級蘭の他に、オンシジュームやデンファレ・アランダなども蘭の仲間ですのでよく使われます。

葉ボタンはボタンの代わりとして、香り良い水仙はシンプルに活けると凛とした雰囲気が出ます。

正月用の花の取り合わせが解らない場合は、セットを購入すると誰でも簡単です、1本ずつフラワーショップで選べばより豪華で好みのものとなります。

その場合まず主役となる良い枝ぶりの枝物から選ぶのがよいでしょう。
枝分かれしている物がアレンジしやすいです。そして主役となる大振りの花、菊やバラ、ダリアなど丸い感じの花は手前低めに持ってきます。

次に実物、実は皺皺していないつややかな物を選びましょう。

後は隙間を埋めるように少し小さ目の花を散らばせていけばOK。
枝ぶりの良しあしや枝ぶりの向き、和のアレンジに向くバランスなど解らなければ、アールフラワーにどんどんお尋ねくださいね。

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