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  3. 歌から生まれた“シクラメンのかほり“

深いモスグリーンの葉と赤系の花色のコントラストが清らかなシクラメン。
キャンドルライトのようにこの花が並ぶと、年末だな~という気分になりますね。

地中海原産の花、シクラメン

シクラメンはサクラソウ科の球根植物で、原産地は乾燥した地中海沿岸になります。

日本にやってきたのは明治末期、うつむきがちに咲くその姿から「かがり火花」などとも名づけられていました。
シクラメン、英語ではCyclamen(サイクラメン)と表します。
くるくると旋回するという意味のサイクルが語源で、くるくる回るのはシクラメンの茎の部分です。
花が終わると受粉したシクラメンは少しでも発芽しやすいように自身の茎をからげながら葉の茂みに潜っていくのです。
原産地の一つイスラエルでは、「ソロモンの冠」という呼び名もあります。
ユダヤ人の伝承によると昔、王となったソロモンが冠を作るとき、自国の岩陰に頭を下げひっそりと咲く桃色のシクラメンにたいそう心を奪われ、「これぞ私の王冠にふさわしい。シクラメンよ、おまえのけなげさを王の品性にひとつ加えさせてくれ」と声をかけたそうです。

日本にも“実ほど首を垂れる稲穂かな”という俳句がありますが、ソロモンの王も同じように自身を戒め高慢にならず謙虚で凛とした王になりたいという気持ちを、冠のシクラメンの花に込めたのですね。

シクラメンの花言葉は?

そんなシクラメンの花言葉は「遠慮」「気おくれ」「内気」「はにかみ」自己評価が低い美人さんですね。
また色別では赤いシクラメンは「嫉妬」白いシクラメンは「清純」ピンクは「憧れ」「内気」「はにかみ」となります。

大ヒットしたシクラメンのかほり

沢山の人の耳に触れる歌謡曲はそのまま素晴らしいキャッチコピーとなるものですが、小椋桂が作詞し布施明が歌い大ヒットした「シクラメンのかおり」もまたシクラメン栽培をする花業界の追い風となりました。

♪真綿色したシクラメンほど清しいものはない
♪うす紅色のシクラメンほどまぶしいものは無い
♪うす紫のシクラメンほど寂しいものはない

恋の始まりから別れまでの一つの物語を美しい言葉で歌っている「シクラメンのかほり」。
この歌は、エルビスプレスリーの「朝のマリーほど美しいものは無い、夜のマリーほど美しいものは無い」というフレーズと北原白秋の詩集から集められた言葉を操って作った曲だそう。

推理小説のように借り物であることを告白するため、当時なかった“香り“や“うす紫のシクラメン”でこれは嘘ですよと念を押してあります。そんな借り物のようなこの曲をご本人はあまり好きではなかったそうです。

昨今のシクラメンは芳香種もあり大人気。これは埼玉県農林総合研究センター園芸研究所で生まれました。

歌が流行ったことで、シクラメンにも香りがほしいと言う要望に対してバイオテクノロジーを駆使して作った最先端シクラメンで、バラとヒヤシンスを合わせた様な清々しい芳香が特徴。芳香シクラメンは平成16年にうす紫色の花色の「孤高の香り」ピンク色の「麗」そして平成27年には白色の「絹の舞」が完成、まさに小椋桂さんが歌ったそのままの世界が再現されました。

実は小椋桂さんの奥様の名は「かほり」、もし奥様の名が違っていたらシクラメンの香りは今でも無かったかもしれませんね。

今年イチオシのシクラメン

さて、アールフラワーでは日本の冬のスタンダートナンバーとなったシクラメンを、今年も産地から吟味して取り揃えています。
よいシクラメンは、葉っぱが多くて中を覗くと沢山、つぼみがあること。

ゴージャスな6~7号鉢や最近人気のカワイイ系のガーデンシクラメンまでどのシクラメンも鉢が葉で隠れるほどしっかり覆われしかも綺麗に揃っている逸品ばかり。

ガーデンシクラメンは、小さいながらボリューム感がありまるで蝶が舞い踊って居るような躍動感がありとってもカワイイですよ。また、大輪系は赤い縁のフリルが可愛いフリンジ系の「ビクトリア」、サントリーからは香りも楽しめて青紫の色の珍しい「アロマブルー」などもあります。今年は、芳香タイプのシクラメンがおすすめです。
アールフラワーの美しいシクラメンは、長持ちして高品質、楽しいクリスマスにきっとあなたの心を和ませてくれます。

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