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  3. 現代版「秋の七草」を使ったお花で中秋名月を楽しむ

暑かった今年の夏もようやく終わり。
夕方には涼風も吹き、秋の虫がころころと鳴き、季節の移り変わりを告げます。

暑くもなく寒くもなく、また空気が澄んでいる9月の夜更けは月を眺めるのに良い季節ですね。
先人たちも同じように感じていたのか、旧暦の8月15日の夜を「中秋の名月」と呼びお月見を楽しみました。

2016年の中秋の名月はいつ?

昨年の中秋、名月は9月27日でした。

2016年は、9月15日になります。

なぜ年により日付が激しく動くのかと言いますと、旧暦は新月を1日とし月の満ち欠けを基準に日付を決めているからです。
大体各月の15日前後が満月となりますので、現代使われている太陽暦は、日付に月の状態は連動していない為、年月によって変わってしまうのです。

■お月見飾り

和室の縁側に文机を設え、三方に芋やお団子などをお供えし薄(すすき)を数本丈長く活ける伝統的なしつらえも素敵ですが、マンションリビングのチェストやテーブルの上に秋の和花を添えアレンジしてみるだけでも、ぐっとお月見気分が増します。
四季のある日本だからこそ、お月見飾りには日本の秋の代表的な花を取り上げた「秋の七草」から選んでみるのはいかがでしょうか?
「秋の七草」は山上憶良が万葉集で歌を詠み、それが今に至っています。

「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」

■萩の花

このうち尾花が薄(すすき)葛花はくず、朝貌(あさがお)の花は桔梗の事と言われています。
ところが花市場で葛の花、萩はなかなか入荷することがありません。
さらに桔梗も最近は初夏が出回り時期となりますからお月見のころ手に入れるのは難しくなっています。

お月見におすすめ、現代の秋の七草

まず尾花、月見の時期には、お月見用としてすすきが沢山出回ります。

斑入りのすすきなら単独でも存在感が出ます。
少し洋風にしたいならすすきの代わりにパンパスグラスも迫力があり、雰囲気が変わります。
その場合は大ぶりのガラスの器に野バラのまだ青い実やユリなどを添えても爽やか。

また花籠に吹き寄せ風に飾るなら、女郎花、藤袴、吾亦紅、コスモス、桔梗が手に入らない場合は、代わりにトルコキキョウやリンドウのすっきりとした青い色もなかなか風情があります。

その他にも満月に見立てて黄菊の、ピンポンマムもかわいいです。
和花は素朴な民芸の器や土ものの器などともしっくりと良く合います。

中秋の名月は、中国から平安時代ごろ貴族に伝わった行事が起源となるそうです。
中国では月餅をお供えにしてお祝いします。
このころ芋の収穫時期なので、収穫を祝って芋を添え芋名月と呼ぶ地方もあるのだとか。

すすきは魔除けであったとも言われます。

あまり昔の事なので本当の事は解らなくなってしまっているけれど、忙しい毎日に娯楽の少ない先人たちが、美しい月夜を楽しむ日と決めて”ささやかな宴を催していた”そんな日だったのでしょうね。

今年は、現代版「秋の七草」で演出して楽しんでみませんか?
アールフラワーでも秋のお花をご用意してお待ちしております。

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