夏休みも後半戦。そろそろ秋の気配を感じる今日この頃・・
さて、皆様。
秋を感じる時ってどんな時でしょうか、、、私は風で秋を感じます。
夏のじんわりーじゃなくてからっとした秋風。
・・・秋風といえば、与謝蕪村の俳句でしょうか?
「秋風の 吹きのこしてや 鶏頭花」 与謝蕪村
食欲の秋、芸術・文学の秋・・秋を先取りして
本日は文学的に参りましょう!!
お花のHANARU通信ですもの、秋の季語「鶏頭花(ケイトウ)」をご紹介しようと思います。
まずは・・ケイトウの基礎知識♪
今日のお題の「ケイトウ」は、「鶏頭花」や「韓藍」とよばれ、古くから秋の花として愛されてきました。
鶏頭はその漢字のとおり、ニワトリのトサカに見えるから名づけられました。
ちなみに英語でも「cocks-comb」(鶏のとさか)、英語圏の人からもこの花はニワトリを連想させるようです。
うん 確かに↓
「韓藍」という名前は、奈良時代に大陸からきた藍色染めの原料だったからとか。
ケイトウは色鮮やかなお花なので納得できます。
さて、俳句にもどりますね。
「秋風の 吹きのこしてや 鶏頭花」与謝蕪村
与謝蕪村のこの句は、松尾芭蕉の「五月雨のふり残してや光堂」のオマージュで 、鶏頭の花が色鮮やかで、まるでそこだけ秋風が吹き残していったようだといった情景をあらわしているとされています。
確かにオマージュと言われると似てます。
そしてもう一つ。今度はもっと古い時代の短歌をご紹介しましょう。
わが屋戸(やど)に韓藍蒔(からあゐま)き生(おほ)し枯れぬれど 懲(こ)りずてまたも蒔(ま)かむとそ思ふ」万葉集 山部赤人
この歌は「鶏頭」がお題の歌会で詠まれたとされています。
意味は「私の家に鶏頭の種を蒔いて育てたけれど枯れてしまいました。けれども懲りずにまた蒔こうと思います」が表向きの意味。
もう一つの意味は「韓藍」は女性のことを示していて「私の家で美しい女性を住まわせていたのですがその人は去ってしまいました。
けれども懲りずにまた素敵な女性を探そうと思います」と、前向き失恋ソングです。
さすが、ざっと1260年前から残る一見失恋を連想しない色鮮やかなケイトウで、歌会で失恋を発表してしまう魅力的な歌です。
そんなケイトウの花言葉は「おしゃれ」と「風変り」。
ケイトウには本当にニワトリのトサカに見えるも品種もあれば、燃える炎のような品種もあります。
花壇や寄せ植えにケイトウが入ると、とても鮮やかで素敵ですよ!是非実物をみてくださいね。
そして、山部赤人のもとを去ったケイトウのような女性って、きっと明るくてチャキチャキした女性だったのだろうなーと連想した私を間違ってないと言ってくださいね(笑)
ベルベットのような秋のお花、ケイトウのお話でした(^^)/