秋も深まり、日に日に寒くなって来ました。
本格的に切り花を楽しむには、花の種類も多く持ちも良い絶好の季節です。
さて、この季節お勧めの花が「ダリア」、華麗で存在感あふれるダリアは近年もっともトレ
ンドとなっている花でもあります。
ダリアはメキシコ原産の花
ダリアはキク科に属する球根植物で原産地はメキシコの高地。アステカ時代には球根の形から「サツマイモの花」と呼ばれて居ました。メキシコはポインセチアやコスモス、マリ―ゴールドの花やカボチャやトマトなど数々のポピュラーな植物の原産国になっていますが、有名な植物たちを押しのけた国花は「ダリア」となるそう。メキシコでは手つかずの原野に9月末頃オレンジ色の一重の原種がまだ見られます。
1789年には種でスペインのマドリード植物園に送られ、以来長い歳月をかけて品種改良が行われていきました。日本にはオランダから1842年に持ち込まれ「天竺ボタン」と言う和名が付けられていました。
沢山の花言葉を持つそのワケ
ダリアの品種は世界中に2~3万ほどに上ります。花の形には、シングル咲き、アネモネ咲、カクタス咲、デコラティブ(八重)咲、ポンポン咲、コラット咲などがあり、花の大きさも3cmぐらいの小輪から30cmぐらいの巨大輪まで様々、茎の高さも15cmほどから皇帝ダリアのように5メートル近くなるものまで、サイズや形、色など草花の中で多様性はぴか一です。
そんなダリアの花言葉は華麗、優雅、威厳、感謝、移り気、裏切り、不安定など。華麗、優雅、威厳、は大輪のダリアの花の持つ雰囲気をそのまま表した言葉です。その他の花言葉は、フランス革命後の動乱期にダリアが流行ったことと関係しています。感謝はフランス革命の労をねぎらう意味で用いられたのが由来。また移り気、裏切り、不安定は一時期ダリアの花を独占して育てていたナポレオンの皇后ジョセフィーヌの逸話から来ています。
ダリアの世界観を変えた「黒蝶」
ダリアは日本では通年流通いたしますが、実は夏場の暑さが苦手。水分が大好きなダリアは夏場に茎の繊維が傷みやすいのです。
特にスーパーなどでカジュアルフラワーとして売られるダリアは要注意、茎の肉厚が薄いものはすぐへたってしまいます。
また花芯に黄色いおしべが見える物も茎が柔らかく折れやすいです。ダリア購入時には茎の太さと花芯をしっかり見て選びましょう。
最近のダリアブームの火付け役は「黒蝶」という大輪種の出現にあります。
もともと黒花系ダリアには中輪のフランスミズノアールがありましたが、それを大輪化したのが黒蝶です。
20㎝以上ある大輪種で、色はビンテージの赤ワインのように深い黒に近い赤。
花の中央に近くなるほどにベルベットのような光沢が強まり大変ゴージャスで妖艶で、誰もが一目見たら忘れられない強さを持って居ます。主役級の存在感でありながら、和にも洋にも、またブライダルでも調和する重宝な花です。
2015年には同じ大輪系の真っ白な「白蝶」も出てさらにアレンジの幅が広がっています。
ダリアのおすすめのフラワーアレンジは?
存在感のあるダリアは、1輪挿しにするだけで素敵。食卓などには小さなダリアがあるだけでアットホームな雰囲気になりますよ。様々なキャンディカラーをミックスするのも楽しいですね。
キク科のダリアは生け花の要素を取り入れて茎に高低差を付けて縦の構成で見せる方法もシック、添え物として紅葉したブドウの葉の枝物などともぴったり合います。
最近は上から観賞する「ラウンドブーケ」や「ボックスアレンジ」など面で見せる演出も流行っていますが、大輪のダリアは空間をしっかりと埋め豊かに魅せます。アレンジに変化を付けたい時にダリアはうってつけです。
大輪で主役級のダリアこそ、専門店で買うべきアイテムです。アールフラワーではプロの目でしっかりした茎の高品質のダリアのみを扱っていますので美しさや持ちが違います。
この秋は大輪のダリアに挑戦してみませんか?